「なんとなくすっきりしないけど、便秘なのかな?」、「便秘が気になるとき、どんな食事をとったらいいの?」と思ったことはありませんか?
毎日お通じがあってもすっきりしない場合は、便秘かもしれません。また食事内容によっては、食物繊維が不足している可能性もあります。
今回は、そんな便秘かもと思ったときに意識したい食品や、食事のポイントについて解説します。
便秘が気になるとき、食事でできることは?
便秘は、慢性便秘症診療ガイドライン2023年版では、「本来体外に排出すべき糞便が大腸に滞ることによる兎糞状便(とふんじょうべん:小さなコロコロ状の硬い塊状の便)・硬便・排便回数の減少や糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責(どせき:おなかに力を入れていきむこと)、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難を認める状態」と定義されています。
つまり、便秘は排便回数が少ないことだけでなく、便が硬い、排便時に強くいきむ、便が残っている感じがするなど、排便に関する不調も含めて判断します。毎日排便があっても、便が硬くて出しにくい、残便感があるといった症状があれば、便秘の可能性があります。反対に、排便回数が少なくても、便の状態や排便時の不調などによって判断が異なります。
便秘は食事だけでなく、運動不足や生活リズムなども関係しますが、食事を見直すことは、便通を整えるための方法のひとつです。
便秘に悩んでいたり、なんとなくすっきりしないなどの不調を感じる方は、規則正しい食事に加え、食物繊維や水分を意識してみましょう。
便秘が気になるときに意識したい栄養素・食品
便秘を改善するためには、食事の内容を見直してみることも大切です。特に意識したい栄養素や、食品についてご紹介します。
食物繊維
食物繊維は、便のかさを増やしたり、腸内細菌に利用されたりすることで、便通や腸内環境を整える働きが期待できます。
食物繊維には、水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は、血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きがあるものもあります。また、腸内環境を整える働きがあります。不溶性食物繊維は、腸の動きを活発にしたり、便のかさを増す働きがあります。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、ひじきや昆布などの海藻、とうもろこし、大麦などがあります。不溶性食物繊維は、キノコ類、豆類、こんにゃく、さつまいもなどに多く含まれます。
ただし、一度にたくさん摂ると、お腹の張りなどにつながる場合もあります。普段の食事を振り返りながら、無理のない範囲で少しずつ食物繊維を増やしていきましょう。
発酵食品
発酵食品は、微生物の働きを利用して作られた食品です。微生物が糖類やたんぱく質などを分解して、別の物質を作り出す活動を発酵と言い、そこから生まれる食品のことを発酵食品と言います。この発酵により、保存性が高まる、栄養分が増える、美味しくなるなどの変化が起こります。
発酵食品には、食品によって乳酸菌などの微生物や、発酵によって生じた成分が含まれています。腸内環境との関係が研究されていますが、食品によって含まれる成分は異なり、便秘への効果も一様ではありません。
乳酸菌による発酵食品には、ヨーグルト、チーズ、漬け物、キムチなどがあります。その他にも、みりん、醤油、味噌などの調味料や、酒類、パンなども発酵食品として知られています。
朝食にヨーグルトを食べたり、みそ汁を飲むなど、できることから取り入れてみましょう。
オリゴ糖
オリゴ糖に明確な定義はなく、一般的に単糖が3~10個ほど結合した糖類のことを言います。
一部のオリゴ糖は消化されにくく、胃酸や消化酵素で分解されずに大腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになることから、腸内環境を整える働きがあるとされています。
オリゴ糖には種類がありますが、手軽に摂れる食品では、たまねぎ、にんにく、バナナ、キノコ類、大豆製品などがあります。
腸内環境を整えることは、便通を良くするためにとても大切です。オリゴ糖が含まれる食品も意識して取り入れてみましょう。
便秘が気になるときの食事のポイント
便秘が気になるときに意識したい食品を効率的に摂るためのポイントや、健康維持のためにも必要な水分について解説します。
朝食を抜かずに、規則正しく食事を摂る
朝食を摂ることは、便通のリズムを整えるためにも大切です。
なぜなら、朝食を摂ることで夜の間休んでいた腸が刺激され、排便を促すことに繋がるためです。また、朝食を抜いてしまうと、1日の食物繊維の必要量を摂ることが難しくなるため、朝食をしっかりと摂る必要があります。
例えば忙しい朝には、ヨーグルトにバナナを入れて、善玉菌とオリゴ糖を一緒に取ったり、前日の残り物のきのこや海藻の入った味噌汁を飲むなど、食物繊維や発酵食品を意識した食事を試してみてください。
朝食を抜きがちな方は、おにぎりやトーストなど、まずは朝食を摂ることを意識しましょう。
水分をこまめに摂る
水分をこまめに摂ることは、スムーズな排便を促すために大切です。
水分が不足すると、便が硬くなり便秘を引き起こす可能性があると言われています。
日本人の水分の目安量は策定されていませんが、体重に対する水の構成割合や、1日の水分排出量から、飲み水の目安の一つとして約1.2Lほど必要であると示されています。これは、便秘対策だけでなく、健康な体を維持するためにも大切です。
一度にまとめて飲むのではなく、コップ一杯の水をこまめに摂ることや、食事と一緒に水分を摂ることを意識してみてください。
食物繊維を含む食品を少しずつ増やす
食物繊維を必要量摂るために、できるだけ毎食食物繊維を取り入れることが大切です。
なぜなら、先ほど解説したように食物繊維は、便のかさを増したり、排便を促す働きがあるためです。また、それだけでなく、食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになることで、腸内環境のバランスを整える働きを持っています。
たとえば、普段食べるご飯に大麦を混ぜることで、手軽に食物繊維を増やすことができます。また、味噌汁やスープなどに、きのこや海藻を入れることで、手軽に量を摂ることができます。間食に焼きいもを食べるのも良いでしょう。
食物繊維は、便秘を整えるために意識したい栄養素の一つです。まずは、食物繊維を少しずつ増やしていくことを心がけてみましょう。
便秘が気になるときのおすすめレシピ
便秘が気になるときにとりたい食品を使った、簡単レシピをご紹介します。
納豆キムチのせ豆腐
〈材料1人分〉
- 絹ごし豆腐……150g
- 納豆……1パック
- キムチ……30g
- お好みで刻みのり
〈作り方〉
- 豆腐を器にのせる。
- 混ぜた納豆とキムチを豆腐にのせ、お好みで刻みのりをかけて完成。
納豆やキムチから食物繊維を摂ることができ、納豆は発酵食品でもあります。材料を混ぜるだけで簡単に作れ、ご飯にかければ忙しい日の朝食にもおすすめです。
キウイとバナナのヨーグルトオートミール
〈材料1人分〉
- プレーンヨーグルト……150g
- オートミール……30g
- キウイ……1/2個
- バナナ……1/2本
〈作り方〉
- キウイとバナナを食べやすい大きさに切る。
- 器にヨーグルトとオートミールを入れ、果物をのせて完成。
オートミールやキウイ、バナナから食物繊維を摂れる、手軽な朝食メニューです。ヨーグルトも組み合わせることで、忙しい朝でも複数の食品を取り入れられます。
きのことわかめのみそ汁
〈材料1人分〉
- きのこ……1/2株
- 乾燥わかめ……適量
- 豆腐……50g
- みそ……大さじ1/2
- 水……150ml
- 和風だしの素……小さじ1/2
〈作り方〉
- 鍋に水と和風だし、きのこを入れ煮立たせる。
- 一口大に切った豆腐と、乾燥ワカメを加える。
- 火を止めてみそを溶かし、沸騰しない程度に温めて完成。
きのこやわかめから食物繊維を摂れる、手軽なみそ汁です。汁物を食事に取り入れることで、水分も補えます。普段の食事に一品加えるところから始めてみましょう。
食事以外で気をつけたいこと
便秘を改善するために食事を見直すことは大切ですが、食事以外にも原因がある可能性があります。
- 運動不足
- ストレス
- 不規則な生活リズム
- 排便を我慢してしまう
便秘が長く続く、症状が強い場合は、医療機関に相談しましょう。また、強い腹痛や嘔吐、血便などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
まとめ
今回は、便秘が気になるときに意識したい食事について解説しました。
食物繊維は、日本人に不足しやすい栄養素ですが、便秘や腸内環境を整えるために、摂取することがとても大切です。
普段の食事から少しずつ意識して、食物繊維を増やしていきましょう。
参考:厚生労働省/「日本人の食事摂取基準(2025年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(2026年10月16日にアクセス)
参考:厚生労働省/「健康日本21アクション支援システム」https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001(2026年10月16日にアクセス)
参考:国土交通省「健康のために水を飲もう」推進運動https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/watersupply/stf_seisakunitsuite_bunya_topics_bukyoku_kenkou_suido_nomou_index.html(2026年10月16日にアクセス)
参考文献:上西一弘、藤井義晴、吉田宗弘監修「健やかな毎日のための栄養大全」 NHK出版,2022年, p87-89,100-101

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