野菜不足になるとどうなる?不足しやすい栄養素と、野菜を手軽に摂る方法を管理栄養士が解説

「野菜を摂ろうと言うけど、実際なぜ摂らないといけないのかわからない」、「野菜を摂っているつもりだけど、足りているのかな?」などと思ったことはありませんか?

野菜には、様々な栄養素が含まれていて、健康な体を作るために欠かせない食べ物です。

今回は、そんな野菜について、野菜が足りないと不足しやすい栄養素や、野菜を手軽に摂る方法を解説します。

野菜の摂取目標量は?なぜたくさん摂るべき?

健康日本21(第三次)では、野菜類の摂取目標量として1日350gが設定されています。

野菜を十分に摂取することは、健康の保持・増進や、生活習慣病の予防につながると考えられています。

たとえば、野菜を350g程度摂ることで、野菜に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラルなどの摂取量を増やすことにつながります。また、野菜を十分に摂ることで、心血管疾患、脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病の予防が期待されます。

このように、野菜をしっかり摂ることは健康な生活を送るためにとても大切です。毎食少しずつでも野菜を摂るように意識してみてください。

野菜不足になると不足しやすい栄養素は?

野菜を摂ることが健康維持に大切なことが分かったと思います。では、野菜が不足することで、具体的にどのような栄養素が不足するのでしょうか。野菜不足で不足しやすい栄養素と、その栄養素が必要な理由を解説します。

食物繊維

食物繊維は、お腹の調子を整えたり、生活習慣病の予防のために、摂取することが望まれています。

なぜなら食物繊維は、便通を整えたり、腸内細菌のエサとなって腸内環境に関わるためです。また、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、血中コレステロールの低下に役立つ働きが知られています。

たとえば、食物繊維はほうれん草やたけのこ、とうもろこし、ブロッコリー、アボカドなどに含まれています。野菜以外にも、きのこ類や藻類にも多く含まれています。

このように、食物繊維はお腹の調子を整えるだけでなく、生活習慣病予防のためにも積極的に摂取したい栄養素です。冷凍野菜のブロッコリーやアボカド、パウチタイプのスイートコーンなど、便利な商品が販売されているので、確認してみてください。

βカロテン

βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは目や皮膚、粘膜の健康維持などに関わる栄養素です。また、βカロテン自体にも抗酸化作用があります。

βカロテンはにんじん、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

このようにβカロテンは、体内で変換されることでビタミンAとしての役割や、抗酸化作用など健康維持に重要な働きをしています。にんじんは、電子レンジで加熱することで柔らかく、甘く食べやすくなるため、にんじんの調理が面倒だと感じる方は、電子レンジ調理を試してみてください。

ビタミンC

ビタミンCは、健康な体を維持するために重要な栄養素です。

なぜならビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な栄養素で、皮膚や血管、骨などの健康維持に関わっているためです。また、抗酸化作用もあります。

たとえば、ビタミンCは柑橘類やいちご、キウイなどの果物や、赤ピーマンやブロッコリーなどの野菜に含まれています。

このように、ビタミンCは体づくりに関わる重要な栄養素です。忙しくて野菜を取り入れるのが難しいと感じている方は、冷凍野菜や下処理済みの野菜なども活用してみてください。

カリウム

カリウムは、細胞を正常に保ったり、血圧を調整する働きがあるとされています。

なぜなら、細胞は、細胞内外のカリウムとナトリウムのバランスをとることで安定した状態に保っているためです。また、カリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を促すことで、血圧の調節に関わっています。

たとえば、カリウムはほうれん草やかぼちゃ、じゃがいも、豆類や、藻類などに含まれています。

このようにカリウムは、体内を安定した状態に保つことで健康を維持するための、大切な栄養素です。野菜だけでなく、イモ類や藻類などにも含まれているため、味噌汁にワカメやじゃがいもを入れるのもおすすめです。

忙しくても野菜を摂るコツ

野菜を摂りたいけれど、忙しくて調理する時間がないと思っている方は多いのではないでしょうか。

今回は、忙しくても少しでも野菜を摂るためにおすすめしたい方法をご紹介します。

冷凍野菜や下処理済み野菜を活用

スーパーに行くと、冷凍野菜や、下処理済みですぐに使える野菜などが多く販売されています。

冷凍ブロッコリーは房で分かれているため、表記通りに解凍して手で少しほぐすだけで簡単に使うことができます。

アボカドのダイスカットは自然解凍ですぐに解凍できるので、他の食品と和えて少し置いておくだけで副菜が完成します。

にんじんやごぼうなど、皮むきや切る行程が面倒な野菜も、冷凍や下茹で済みの商品を活用するのがおすすめです。

野菜を汁物に入れる

野菜を汁物に入れることで、できるだけ多くの野菜を無理なく摂ることができます。

なぜなら、汁物に入れることで野菜のかさを減らすことができるため、生で食べるよりもより多くの量を食べることができるためです。

たとえば、生野菜の食べられる部分の重さの目安は、にんじん1/4個45g、ブロッコリー2房50g、ほうれん草1株30g、パプリカ半分70gほどです。このように色々な野菜を組み合わせることで、様々な栄養素を摂ることができますが、目安量を見て分かるように、1日に350gの野菜を摂るのは意識しないとなかなか難しいことだと思います。

※重量は野菜の大きさや可食部によって異なります。

味噌汁やスープは具だくさんを心がけることで、野菜の摂取量を増やすことができます。また、具だくさんにすると、少ない汁でも満足感を得やすくなります。汁を飲む量を減らすことで、塩分の摂りすぎを抑える工夫にもなります。

コンビニを活用

忙しくて昼食がコンビニばかりになってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

コンビニでも、野菜を意識することでバランスを整えることができます。

たとえば、おにぎりとカップ麺などが多い場合は、野菜と海藻、サラダチキンなどが入った、たんぱく質と野菜を一緒に摂ることができるサラダがおすすめです。

また、おにぎりを2つにして、カップ麺を、豚汁や野菜のたっぷり入ったミネストローネなどのスープに変えるのも良いでしょう。

もし余裕があれば、おにぎりは自宅で作ってきて、足りない野菜とたんぱく質をサラダや野菜の総菜、チキンで補うことで、少し楽に栄養バランスを整えることができます。

忙しくて時間がないけど、少しでも野菜を摂りたいという方には、手軽に食べることができるきゅうりやにんじん、大根などの野菜スティックもおすすめです。

野菜だけでなく、主食・主菜も組み合わせることを意識しましょう。

野菜を摂れるおすすめレシピ

冷凍野菜や電子レンジ調理を活用することで、忙しくても手軽に取り入れられる簡単レシピをご紹介します。

冷凍野菜ミックスの簡単ミネストローネ

【材料2人分】

  • 冷凍野菜ミックス……200g
  • カットベーコン……2枚分(約40g)
  • カットトマト缶……1/2缶(約200g)
  • 水……300ml
  • コンソメ……小さじ1と1/2
  • オリーブオイル……小さじ1
  • 塩・こしょう……少々

※冷凍野菜は、にんじん、ブロッコリー、玉ねぎなどが入ったものがおすすめ。

【作り方】

  • 鍋にオリーブオイルを入れ、ベーコンを軽く炒める。
  • 冷凍野菜ミックスを加えて、さっと炒める。
  • トマト缶・水・コンソメを加える。
  • 沸騰したら弱めの中火で5分ほど煮る。
  • 塩・こしょうで味を整えたら完成。

冷凍野菜ミックスを使うことで、野菜を切る手間を減らし、複数の野菜を手軽に摂ることができます。サラダ豆や冷凍ブロッコリーなどを追加すれば、さらに食べごたえのあるスープにアレンジできます。

レンジでまるごとにんじんサラダ

【材料2人分】

  • にんじん……1本
  • ツナ缶……1/2缶
  • ごま油……小さじ1
  • しょうゆ……小さじ1
  • 酢……小さじ1
  • すりごま……大さじ1

【作り方】

  • にんじんを洗い、皮をむく。
  • にんじんを濡らしたキッチンペーパーで包み、さらにラップで包む。
  • 電子レンジ(600W)で5分ほど加熱する。固ければ追加で加熱する。
  • やけどに注意して、にんじんをボウルや深めの皿に入れ、フォークで潰す。
  • ツナ・ごま油・しょうゆ・酢・すりごまと和える。

にんじんに含まれるβカロテンは、油と一緒に摂ることで利用されやすくなるため、オイル漬けのツナ缶や、ごま油との相性が良くおすすめです。

にんじんをレンジで加熱することで、千切りなどの面倒な作業が不要で、とても簡単にサラダにすることができるため、ぜひ試してみてください。

まとめ

今回は、野菜が足りないと不足しやすい栄養素、野菜を多く摂るためのコツや、簡単レシピをご紹介しました。

野菜は、健康な体を作るために欠かせない食品です。忙しい日々のなかで、野菜を意識して摂ることは大変に感じることもあると思いますが、今回ご紹介した、野菜を摂るためのコツや簡単レシピを参考にして、少しずつ野菜を摂っていきましょう。

参考:厚生労働省/「日本人の食事摂取基準(2025年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(2026年9月8日にアクセス)

参考:厚生労働省/「健康日本21アクション支援システム」https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/(2026年9月8日にアクセス)

参考文献:平野健一「八訂 早わかりインデックス きほんの食品成分表」株式会社主婦の友社,2023年

参考文献:上西一弘、藤井義晴、吉田宗弘監修「健やかな毎日のための栄養大全」 NHK出版,2022年, p122,128-129,138

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