風邪予防にビタミンC?ビタミンCの働きとは?

ドラッグストアで働く管理栄養士です。

ドラッグストアでは、ビタミンCのサプリメントや医薬品をお求めのお客様が多くいらっしゃいます。目的を訪ねると、健康維持のため、風邪予防や美容目的で服用されている方が多い印象です。

その中でも、これからの時期に気になる風邪予防について、ビタミンCは実際どのような働きがあるのかをまとめていきたいと思います!

風邪のメカニズム

風邪とは一般的に、鼻腔、咽頭、喉頭と呼ばれる空気の通り道(上気道)に、急性の炎症による症状が起きることを言います。

主にウイルスなどの病原体が気道内に入り、気道の粘膜に付着し、増殖することで感染します。

発症すると、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、発熱、頭痛、倦怠感などが現れ、炎症が気管や気管支(下気道)まで及ぶと、せき、たんが現れます。

風邪の症状は基本的に、体内に入ろうとするウイルスなどの異物を外に出すための防御反応です。

参考:「一般社団法人日本呼吸器学会.『かぜ症候群』.https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-01.html(2025年9月20日最終閲覧).」

ビタミンCの働き

ビタミンCの主な働き

・皮膚や細胞のコラーゲンを合成する。

・抗酸化作用により活性酸素を消去し、細胞を保護する。

参考:「厚生労働省.『日本人の食事摂取基準(2025年版)』.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(2025年9月20日最終閲覧).」

ビタミンCは風邪予防に良いのか

ビタミンCの風邪予防や風邪症状の改善について、様々な研究がされていますが、今のところ有効性について結論がでていないというのが現状のようです。

しかし、風邪のメカニズムからわかるように、風邪の主な原因であるウイルスは、鼻やのどから侵入し、粘膜に付着し増殖するため、粘膜を強化することが風邪予防になるのではないかと考えられています。

ビタミンCは、皮膚や粘膜の細胞の構成成分であるコラーゲンの合成に関わるため、粘膜を強化することでウイルスなどの侵入を防いでくれると考えられています。

次に免疫についてですが、体内に侵入したウイルスと戦う白血球には、ビタミンCが多く使われます。そして、白血球がウイルスと戦う際には活性酸素が発生し、これにより正常な細胞まで攻撃してしまうことがあります。

そこで、ビタミンCによる抗酸化作用の働きにより活性酸素を除去し、正常な細胞を保護することで、風邪の予防につながるのではないかと考えられています。

風邪予防や風邪症状の改善にビタミンCが有効であることについて、未だに結論は出ていないようですが、有効性について様々な研究がされていて、以下はその1つの文献です。

ベースラインで健康状態が良好な被験者を対象に、治療薬として1g/日以上のビタミンCを経口投与したプラセボ対照試験を対象とし、軽度および重度の症状に対して効果があるのかを解析しました。

結果は、軽度および重度の症状の両方の症状が報告された試験では、プラセボと比較して、ビタミンCは風邪の重症度を有意に減少させました。

ビタミンCの軽度および重度の症状に対する効果を直接比較した試験では、ビタミンCは重度の症状の持続期間に有意な効果があることが示されました。

また、ビタミンCは軽度の症状の持続期間には有意な効果を示しませんでした。

この結果から、ビタミンCが風邪の重症度が高いほど効果が高い可能性があると考えられます。重症度レベルの違いによるビタミンCの治療効果に、更なる研究成果が待たれます。

参考文献:Hemilä, H., Chalker, E. ビタミンCは風邪の重症度を軽減する:メタ分析 BMC Public Health 23 , 2468 (2023).https://doi.org/10.1186/s12889-023-17229-8(2025年9月22日最終閲覧).

その他の栄養素

健康のためには、栄養バランスの整った食事が重要になりますが、その中でも、ビタミンCの他に、積極的に摂りたいと考える栄養素についてご紹介します。

ビタミンA

ビタミンAは網膜細胞の保護作用や、視細胞における光刺激反応に重要な物質で、欠乏すると暗順応障害により夜盲症になります。

また、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなります。

ビタミンB群

ビタミンB群の中でもビタミンB1は、グルコース代謝や、アミノ酸代謝に関与します。ビタミンB2もエネルギー代謝に関与します。ビタミンB6はアミノ酸代謝に関与するほか、免疫系の維持にも重要になります。

このように、ビタミンB群は直接風邪予防に効果があるわけでは無いですが、風邪の時はエネルギーを消費しやすくなるため、エネルギー代謝に関わる重要な栄養素と言えるでしょう。

参考:「厚生労働省.『日本人の食事摂取基準(2025年版)』.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(2025年9月20日最終閲覧).」

おすすめレシピ

今回ご紹介した栄養素が摂れる、簡単おすすめレシピをご紹介します。

じゃがいもとにんじんのサラダ

〈材料(2人分)〉

・じゃがいも(2個)

・にんじん(1本)

Aマヨネーズ(大さじ1)

Aオリーブオイル(大さじ1)

A塩(少々)

Aレモン汁(小さじ1)

・黒こしょう(少々)

〈作り方〉

1.じゃがいもとにんじんは皮をむいて、一口大ほどに切り耐熱皿に入れレンジで6分加熱する。

2.Aを混ぜ合わせドレッシングを作る。

3.1をフォークなどで潰して混ぜ合わせる。

4.あら熱が取れたら、1に2を混ぜ合わせ、お好みで黒こしょうをふって完成。

じゃがいもはビタミンC、にんじんには体内でビタミンAに変換されるβカロテンを多く含んでいます。

ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、短時間で加熱できるレンジ調理は、ビタミンCの損失を減らすことができます。

また、βカロテンは油に溶ける性質があるため、マヨネーズやオリーブオイルで和えることで吸収を高めることができます。

簡単調理で効率的に栄養素を摂ることができるおすすめレシピです!

まとめ

今回は、ビタミンCの効果、積極的に摂りたいと考える栄養素、ビタミンA、ビタミンB群にについてご紹介しました。

風邪に良いと言われる栄養素は様々なところで紹介されていますが、健康のためには炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素、ビタミン、ミネラルの摂れる、栄養バランスの整った食事が基本になります。

今回ご紹介した栄養素やおすすめレシピを参考に、日々の食事に取り入れていたただけると嬉しいです。

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